ホール法での植毛のメリットと注意点を元医師が徹底解説

植毛手術の際、行われる「ホール作成」という工程。毛穴を空けるための工程ですが、頭皮に穴を空けたら痛いのではないか? 感染症などの原因にならないか? など不安を覚える方も多いと思います。ここでは、植毛手術におけるホール作成について解説します


植毛手術の「ホール作成」とは

ホール作成とは、毛穴を空けること。新しく作ったホールに、採取したドナーを移植します。自然な毛穴のように、密度の高いホールを作成することで、毛の生える方向や毛量を調整することができます。

 

ホール作成では、皮膚に傷を作るため、出血しますが、小さな傷のため血はすぐ止まります。手術を受けながら様子を見ることはできないので、患者さんが怖い思いをすることはありません。麻酔をしているため、うとうと眠ってしまう患者さんも大勢います。

毛穴の種類

毛穴の種類は主に2種類あります。

 

1.ホール(丸い穴)

ホールとは一般的な毛穴のこと。スリットに比べ、余分なスキマがないため、グラフト(毛包単位での毛の呼び名)がしっかり収まり、出血も少なく、高密度な移植が可能です。ただし、ホールはスリットよりも皮膚へのダメージが大きく、高密度すぎると、点のはずの傷が面になってしまうこともあります。穴の表面積が大きいため、傷の治癒も比較的遅いです。また既存毛がある場合、そのすべてを避けてホールを作成するのは非常に難易度が高く、手間と時間がかかったり、髪の毛の流れを作りにくく、毛の流れに沿った見せ方が困難だったりというデメリットもあります。

 

2.スリット(縦長の穴)

穴のホールに対して、スリットは切り込み。メスで頭皮に切り込みを入れて、自毛をグラフト単位で植えていきます。一つずつしか移植できないホールに対して、2~3株を同時に移植できる利点があります。そのため、頭頂部など広範囲の植毛に適しています。また手術時間も比較的短く、工程も少ないため、ほかの植毛方法と比べて低価格になることが多いです。

 

デメリットとしては、移植する髪の方向や角度の調整が難しいこと、術後に一時的な痛みを伴うこと、傷跡が残ったり頭皮に違和感を覚えたりする可能性があることなどが挙げられます。

 

最近は、スリットよりもさらに細かい、マイクロスリットも注目されていますが、自然に仕上げるには熟練の職人技が必要です。

 

ホール作成の方法

1.ニードル方式

サイズの異なる数種類の植毛針のなかにグラフトをセットすることで、ホール作成と移植を同時に行う方法です。

傷口が小さく、角度や向き、密度などを調整しやすいため、韓国で人気があり、日本でも多数のクリニックが採用しています。

 

2.スリット方式

移植箇所に、細いメスや特殊な針で、1~2mm程度の小さな切れ目を入れて、毛穴を作成する方法です。自然な仕上がりを実現するには、毛の向き、深さなど調整できる、技量の高い医師を選択する必要があります。

 

3.レーザー方式

かつて、針やメスの代わりに、レーザーを活用してホールを作成する方法が流行しました。出血が少ないことがメリットでしたが、血行不良を招くことから、定着率が低く、現在はほとんど行われていません。

 


自分に合ったホール作成の方法を選びましょう

植毛のための毛穴を作成するといっても、種類や方法はさまざま。どれにもメリット・デメリットがあるため、誰にとってもベストな方法はありません。またクリニックによって、ホールを勧めていたり、スリットを推奨していたりするなど、違いがあります。求めるヘアデザインや、髪の毛のボリューム、手術にかけられる費用などによっても選択肢は変わるでしょう。後悔しないためにも、専門医としっかり話し合ったうえで、自分に合った方法を選ぶことをおすすめします。
 
植毛のデメリットについてまとめたページもありますので参照してみてください。
植毛のデメリット|植毛手術にはどのようなリスクがあるのか

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